令和5年度 沖縄型産業中核人材育成事業

ホテル業界における"多様な働き方導入の推進リーダー"の育成

研修の全体像

【提案趣旨】

令和4年度の当事業では、ホテル業では無理とされてきた在宅勤務の実現とそれを通じた潜在人材の戦力化に取り組んだ。目標を超える受講者数・高い出席率(95.8%)・高い満足度(非常に満足68.6%)の成果を得たが、同時に以下のことが分かった。

  • ホテル業における在宅勤務や"多様な働き方"の実現は、全国的に非常に的を得たテーマである。3年に及んだコロナ禍で雇用も蒸発したと評されるホテル業界は、行動制限撤廃による需要回帰を目の前に、猛烈な人不足に直面している。勤務形態の多様化とそれを通じた人材確保という取組は、全国のホテル業界から極めて高く評価されている。
  • 社会的ニーズ・ホテル現場の在宅勤務導入意欲に反し、会社側(制度や規則の不適合、会社の体制の不適合)が追いついていない。令和4年度事業で、受講生は在宅勤務導入の現実的計画を構築したにもかかわらず、大半が「会社の了解が取れない」ことを障害にあげ、なかには在宅勤務の試験実施さえ許可しなかったホテルもあった。少なくとも制度や規則を適合させないと前に進まない。

ホテル業における"多様な働き方"実現のボトルネックは会社側にあることが多い。"多様な働き方"を実現するには、経営陣に近い立場で制度や規則の改良を牽引できる人材を育成する必要がある。

そこで、令和5年度は、沖縄のホテル業界での人材育成が全国のホテル業界の変革を先導することを目指し、以下の趣旨で事業を行う。

  • 【中核テーマの継承】"多様な働き方"の実現とそれを通じた潜在人材の戦力化に続けて取り組む。在宅勤務の実現を中心とするが、ジョブケーションを含む他社の副業人材や外国人人材の取り入れも視野に入れる。
  • 【育成対象の変更】基礎人材ではなく、次世代GMを育成する。"多様な働き方"をホテルオペレーションに取り入れるよう、人事就業の制度や規則を改良できる(経営陣を納得させられる)人材、を育成する。

【目指す人材像】

"多様な働き方導入の推進リーダー"の育成。

次世代GMで、潜在人材の活用・生産性向上・SDGs・労務管理業績評価などの観点から、"多様な働き方"(含、在宅勤務)をホテルオペレーションに取り入れ、または他社の副業人材などが取り込めるよう、制度や規則の改良を含めて牽引できる人材。

  • 業界や国境を超えての"新しい働き方"トレンドへの洞察
  • "多様な働き方"を組み合せてホテルの生産性をあげる方法論
  • "多様な働き方"における労務管理と業績評価
  • "多様な働き方"を支えるDXやIT化の知見
  • 会社の制度や規則を改良する能力

【沖縄のホテル業界にとっての"多様な働き方"導入の効用】

在宅勤務を含む"多様な働き方"の戦略的活用を加速することで、家庭の事情などで出勤勤務やフルタイム勤務に困難を抱える人材、ジョブケーションを含む他社の副業人材、外国人人材などが戦力化でき、3つの課題に同時に対応できる:

  • ホテル業界が直面している深刻なひと不足への対応
  • 幅広い人材の就労の推進
  • オンライン勤務が可能な業務のIT化促進と生産性向上